原爆祈念日


そう、原爆「記念」日ではなく原爆「祈念」日が正しいはずだ。


福山市という広島県の東のはずれで育ったとはいえ、
これでも広島県人の端くれであるので、8月6日という日には
やはり特別な思いがある。


特に家族や親戚が被爆した経験がある訳ではないのだが、
広島県人長崎県で育った人も同様だと思うが…)は子供の頃から
かなりの原爆と戦争に対する教育をされるのだ。
試しに、広島県出身者をつかまえて原爆について聞いてみたまえ。
百人が百人ともが、なんらかの自分の考えを話してくれるはずだ。


小学生の頃、毎年8月6日は登校日だった。
生徒たちはうだるような暑さの中、みんなでゾロゾロと登校し、
校庭か体育館に集められる。
8時15分になるとサイレンを鳴らし、全員で1分間の黙祷を捧げ、
その後校長先生のお話を聞いて、「はだしのゲン」の映画を観る。
パターンは毎年同じなのだが、それが普通に繰り返されることにより
子供心に戦争と原爆の悲惨さが自然と刻み込まれるのだ。
現在はどうだか分からないが、当時は広島県内の全ての小学校が
同様の8月6日を過ごしていたものと思う。


プールに行ったことや、蝉を捕まえたことなどと同じくらい身近に、
ごく普通の夏休みの思い出として8月6日は記憶の中に残っている。
最近、「教育」とはそういうことなんだと、少し思うようになってきた。
なにも分からない子供でも、身近に置くことと肌に触れさせることで
いつの間にか理解し、知らず知らずのうちに造詣を深めて行くのだ。


余談となるが、8月10・11日、フジテレビ系で「はだしのゲン
のドラマが放映されるようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20070712et07.htm
ビデオに録画して、夏休みにでも観ることとしよう。
戦争と平和、また教育の在り方にも思いを馳せながら…