東京大学


東京大学に行ってみた。
一般人でも構内にはスルーで入れる。
もちろん大学自体の建物や病院などはセキュリティが
掛かっていて一般人は入れない。


予想以上に敷地面積は広大だ。
歴史を感じさせる様々な建物がゆったりとした
距離感を持って立ち並んでいる。


敷地内には池もある。
三四郎池だ。
夏目漱石の小説の題名から由来しているのだという。
この小説はむかし読んだことがあるような気がするが、
内容は全く覚えていない。


池の畔は鬱蒼とした林になっている。
やぶ蚊も多い。
学生のカップルが水際の岩に座って睦まじく昼食を摂っている。


水はかなり澱んでいて、到底雰囲気がいいとは言い難い。
どちらかというと魑魅魍魎の類が水面から現れても
おかしくない風情だ。
「ヌシ」(主)なんて言葉が脳裏に浮かんできて、
巨大な鯉かなんかが顔を出して話しかけてきそうな錯覚に陥る。


ここの構内はどこへ行ってもなんとなく湿った匂いがするが、
特にこの池の周辺とでは明らかに空気の質感が違っている。
川や海と違って、流れの無い澱んだ水には独特な重力のようなものが
発生するらしい。


世の中のこれから大学進学を目指す高校生たちよ。
進むべき大学を決める前に、一度その大学のキャンパスへ
行ってみたまえ。


この先最短でも4年間はそこで過ごすのだ。
偏差値がどうこうとか、いい教授がいるとかも大事かもしれないが
自分の居となる場所がどんな場所なのか、自分の目で確かめることが
その先4年間を有意義に過ごすために必要となるはずだ。


そしてその大学を目指して勉強するのだ。


目標とするもののイメージがしっかりしていればしているほど
結果はその手に掴み取ることが容易いんだ。


嗚呼、自分が16歳の時にはそんなこと気が付きもしなかった。


自分が出来なかったことを歳をとってから気が付いて
若い連中に説教を垂れるのは、オヤジになった証拠だな。