桜貝の爪先


自分で気が付いている、いないに関わらず、誰にでも
「癖」というものがある。


まあ、数え上げればキリが無いくらい、他人に迷惑を
掛けない可愛いものから、他人が見ると眉をひそめる
ような不愉快なものまで様々だ。


僕の場合も、御多聞に漏れずいくつかどうしようもない
癖を持っている。
加えて、たちが悪いのが、僕の癖は自分から見ても
かなり幼稚なものが多いのだ。


僕の場合、その際たるものが「爪を噛む」癖であろう。
医学用語では「咬爪症」(こうそうしょう)と言うの
だそうだ。


子供の頃から、通算で数万回は注意されているであろう
この癖と付き合って、多分30年くらいにはなる筈だ。
何かに意識が集中すると、無意識に爪を噛む。
しかも、ただ噛むだけではなくて、噛みちぎる。
だから僕の爪はずっと深爪状態だ。


医学的には「神経症」の一種と分類されているらしいが
実際この「咬爪症」による実害は無いそうだ。
あえて言うなら「見苦しい」「爪が変形する」
「傷口から化膿する可能性がある」ということだと専門書
には書かれている。
(一番実害があるのは、床に落とした10円玉が拾えない
とか、缶コーヒーのプルタブが開けられない、といった
ことだなあ。)


自分は神経症なんだ、と思うとちょっとドキドキする。
ベッドに入ると5秒で寝付いてしまうこの僕が神経症だなんて!
ウチの奥さんに「トイレ好き」と評されるほど、食べると
すぐ「出る」僕が神経症だとは!
(ああ、ごめん。ちょっと興奮してしまった。)


有名人にも「咬爪症」の人が結構いるんだ。


大御所では泉谷しげる
彼は雑誌で爪を噛む癖があることを話していたので
間違い無いと思う。


もう一人、藤原竜也
映画DEATH NOTEで、ノートに名前を書き込むシーンで
深爪なのがアップで映り、そのことについてはwebでも
かなり書き込みがされたらしい。


あと、森山直太郎
深爪だとギターが引きづらいだろうなあ。


サッカーのヒディング監督
自チームが負けてくると、かなりな勢いで噛むらしい。


徳川家康
史書に記録が残っているらしい。
300年以上も後世でそんなこと言われるなんて…


ガンダムアムロ
戦いに行く前に、緊張のあまり爪を噛む癖が…


ちなみに英語では「CHERRY SHELL NEIL」
(桜貝の爪先)と言うそうだ。