読書感想(7月)


昨日、気軽に7月に読んだ本を書き並べたら、予想外に
問い合わせが多かったので、それぞれの本の感想を
追記しておきます。


石井裕之/なぜ、占い師は信用されるのか?
  ※一種のビジネス本ですね。
   「コールドリーディング」の技術を活かして、
   営業力をUPしようという本です。


田口ランディ/もう消費すら快楽じゃない彼女へ
  ※ランディ節炸裂!
   空想か現実か分からなくなるような日常のコラム。
   この人は本当にこんな体験をしているのかと
   疑ってしまうこと請け合いです。


乙一/失はれる物語
  ※表題作「失はれる物語」はちょっと泣けちゃいます。
   「Calling You」「しあわせは小猫のかたち」
   なども味わい深い作品です。


乙一/GOTH(夜の章)
乙一/GOTH(僕の章)
  ※これは心して読まないと、作品に負けてしまいますね。
   1冊ずつは左程厚みは無い本なのだが、内容は重い。
   タイトル通り「ダーク」感満載(?)の短編集です。
   1編1編が良く出来ているので、ダークな割には
   何処となくさわやかな感じすらします。

   
山本夏彦/日常茶飯事
  ※頑固オヤジの小言が聞きたい人にはオススメ。
   僕はこの人のエッセイが大好きです。


妹尾河童/少年H(上巻)
妹尾河童/少年H(下巻)
  ※第二次大戦物の中ではとても珍しい切り口の小説。
   戦時中の軍や庶民の考え方・気持ちが身に沁みる
   ほど細やかに描かれた作品。
   一度は読んでおきたい。


小川洋子薬指の標本
  ※「薬指の標本」と「六角形の小部屋」という2編が
   収録された短編集。  
   映像が目に浮かぶような、舐めるような描写は
   さすがです。


佐藤雅彦/プチ哲学
  ※ちょっとホッとしたい人にオススメ。
   あっという間に読めますよ。


寄藤文平死にカタログ
  ※一度でいいです。目を通しておくと楽しい老後が
   送れそうな気になれます。


藤原正彦/祖国とは国語
  ※数学者なのに、国語が大事だと言う先生です。
   文部科学省を批判するような論評から、
   ホンワカしたエッセイ風まで、文体は固いが
   内容は興味深いものばかりです。


・かえるさんとガビンさん/二桁のかけ算一九一九
  ※7月17日の日記を参照


辺見庸/ゆで卵
  ※この人は文体が独特です。
   内容もかなりエロで「オリジナリティ」という
   面から言えば、突き抜けていますね。
   好き嫌いは相当激しいと思います。


貫井徳郎/妖奇切断譜
  ※この作品はスゴい!
   そして最後までグロい!
   テーマが「美女連続バラバラ殺人事件」だもの。
   唯のミステリー作品とは言えないね。
   最初の1行を読んで嫌気が差した人は、この本は
   読まない方がいいですね。
   でも、好きな人は最後まで一気に読んでしまいますね。
   僕もその一人でした。