【書評】天に遊ぶ/吉村昭


先月、1ヶ月間の読書記録を日記に書いたら、
予想外に反響があったのと、まとめて書くと
これまた予想外に大変だったので、読む度に
少しずつ書評を書いていこうと思います。


天に遊ぶ/吉村昭


7月30日に中野の都立家政商店街の古本屋で購入。
その日の内に近くのマクドナルドで、およそ
2時間で読破。


全21編の短編集。
吉村氏は基本的にノンフィクション小説を書く
作家である。
ドキュメンタリーを史実に忠実に書くために
全国を取材に歩き回っていらっしゃったようだ。


この「天に遊ぶ」は、その取材旅行の際に
出会った人々との交流や風景をエッセイ風に
まとめたもので、吉村氏の作品としては
ごく珍しいものであるらしい。


「らしい」と書いたのは、僕がこの人の作品を
この1冊しか読んだことがないからだ。


しかし、この人の事実に裏打ちされた文章は
朴訥でありながらも、じんわりと心に沁みる
ものがあり、気合を入れて「戦艦武蔵」や
「零式戦闘機」あたりの歴史物を読んでみたい
と感じさせてくれる1冊でした。


残念なことに吉村氏は、僕がこの「天に遊ぶ」
を読み終えた翌日の7月31日に、癌のため
お亡くなりになったそうです。


ご冥福をお祈りします。