【書評】西の魔女が死んだ/梨木香歩


「西の魔女」はおばあちゃんだ。


僕たちが子供の頃は、こんなおばあちゃんが
誰の身の回りにも居たのではないだろうか。


中学生の「まい」はちょっと独特な雰囲気を持つ
女の子だ。
当然誤解を受けることも多い。
その誤解は時として「いじめ」に発展する。


「西の魔女」はそれを血統だと言う。


その力を正しく発揮するためには、正しい
訓練が必要なのだと。


自然の中で生きていく方法。
自分を信じる力を付ける方法。
精神力を高める方法。
他人との接し方。
家族との接し方。
死について。


大人になっていく過程で、誰もがぶつかるであろう
様々な障壁に「西の魔女」はゆっくりとさりげなく
答えを与えていく。


そして「まい」もゆっくりと大人になっていく。


本書は2作の短編集という形になっているが、
1つの物語として読んだほうがいい。


2編合わせても200ページ程度、さらっとした語り口で
ゆったりと書かれている。
ちょっと疲れたときに、アロマオイルなど
焚きながら読んで欲しい。