カンガエゴト


僕は毎日、頭の中でいろんな事を考えている。
大抵はその場とは全く関係ない事を考えている事が多い。


寝ているときも考えているようで、突然ガバっと起き上がって
なんだか訳の分からないことを言うことがある(らしい)。
時々、早朝から「昨日寝ながら考えたんだけどさあ…」などと
話し始めるもんで、ウチの奥さんもあきれているようだ。


仕事をしていても、映画を見ていても、本を読んでいても
脳を100%そこに使っていることは少ない。
大概メインで使用しているのは70%くらいで、残りの30%は
全く別のことを考えている事が多いのだ。


その30%で僕は、死についてとか、進化についてとか、世の中の
仕組みとか、コトバ遊びとか色々なことを考えている。


そいつらのことを便宜上「カンガエゴト」と名付けることにする。


何かひとつのテーマについて、面白いロジックを思いついたりすると
脳の中を占める「カンガエゴト」の割合が大きくなってくる。
過去の記憶などを総動員して、どんどんと枝葉をつけていく。
彩色をしていく。
だが最後には結論をまとめ切れずに、風船の空気が抜けていくように
「カンガエゴト」はシュルシュルと萎んでいく。
それがいつものパターンだ。


そして萎んでしまった「カンガエゴト」のカスは、僕の脳の
底の方にべっとりとこびりつく。
そんな「カンガエゴト」のカスが、もう何十年分も僕の脳には
蓄積されているのだ。


僕は考えた。


「これを一回キレイに掃除しなくては…」


今まで「カンガエゴト」は自分だけの物だった。
誰かに話して聞かせたことは少ない。
もっとも誰かに話して聞かせても、理解してくれる人は少ないはずだ。
(僕の奥さんは我慢して付き合ってくれるが…)
吐き出すこともなく「カンガエゴト」はどんどん増えていく。
そうして「カンガエゴト」のカスはどんどん蓄積される。


車のエンジンでも燃焼カスが溜まると動きが悪くなる。
パソコンのハードディスクも同じだ、時々ディスククリーンアップを
掛けてやらないと処理速度はグンと落ちる。


僕の頭も同じだと思った。
そろそろクリーンアップを掛けてやらないと…
そんな感覚でこのブログを書き始めた。
誰かに読んでもらおうとは思っていなかった。
単純に、僕の「カンガエゴト」を吐き出す場所が欲しかったのだ。


だが幸いなことに、こんな意味不明で難解な文章を「面白い」と
言って読んでくださる方がいる。


有難いことと、大変感謝している。