呼吸


僕たちの周囲は隙間なく空気で満たされている。


空気とは、一般的に窒素78%・酸素21%・アルゴン1%・
その他微量の炭酸ガス・水素・ネオン・ヘリウムの混合物だ。


そして、僕たちが呼吸をするということは、その空気を
気道から肺に取り込み、さらに肺胞で必要な成分を血中に
取り入れ、不必要なモノを吐き出すという行為だ。


そう、僕たちの周りにあるのは「良いモノ」と「悪いモノ」、
「必要なモノ」と「不必要なモノ」が渦巻くカオスだ。


君はそれを選別しようともがいている。
海岸の砂の中から、ほんの僅かな星砂を探すように
「必要なモノ」を選び出そうとして苦しんでいるんだ。
だが、その努力は報われないだろう。
君がいくらもがいたとしても、君の手で選別することはおろか、
指の隙間からこぼれ落ちていくだけなんだ。


さあ、もう振り上げたその手は下ろしなさい。
そして、目を閉じて深く深呼吸をするんだ。
それだけでいい。
何も考える必要はない。
努力をする必要もない。


君にとって、何が「必要」か「不必要」かを判別する
フィルターは、君自身の中にあるのだから。


そう、呼吸をするように…