【書評】東京を江戸の古地図で歩く本


mayumiさん。
そう、貴方ですよ。


貴方のために買った本です。


河出書房新社発行、初版は2004年7月です。
タイトルの通り、東京/江戸にまつわる
楽しいエピソードに江戸の古地図と
現東京の地図が併記されているという
趣向の本です。


まずこの本は、江戸の古地図は「西」を上に
描かれている…というエピソードから
スタートします。
その後、江戸は本当に「八百八町」あったのか、
というお話(実際には最多時期には1,700以上の
町があったらしい)に続き、「下町と山の手」
「江戸の都市計画」「江戸の地図屋」の
話へと進んでいきます。


その後、日比谷・水道橋・渋谷・南麻布・
西新宿・両国・四谷・築地・小石川・神楽坂・
広尾・品川・中州・浅草・原宿・歌舞伎町・
駒込・神保町…延々と続いていきます。
時々、国分寺や川越・行徳などの話も
交えながら…


ひとつだけ、多分この本に興味を持つだろうと
思われるエピソードをここに書いておきます。


ソメイヨシノ」って知っていますよね?
そう、桜の時期になると、日本全国どこに
行ってもお花見の対象となる、アレですよ。
この「ソメイヨシノ」は幕末から明治にかけて
の間にオオシマザクラエドヒガンザクラを
交配させて作った桜なのです。
当初は「吉野桜」という名前で売り出された
そうです。
売り出したのが、現在の文京区本駒込から
豊島区巣鴨にかけて集中して住んでいた
植木屋だそうです。
(現在でも残る庭園である六義園の手入れを
する仕事のため、このあたりに集中して
住んでいたらしい)
そして当時この一帯が「染井村」と呼ばれて
いたため、「吉野桜」が「染井吉野」と
呼ばれるようになったそうです。


おお、そうなんだ!
京都の「吉野」は関係無かったんだ!
目から鱗の情報満載ですよ。
1冊いかがです?
mayumiさん。